実は、野球が大好きで、野球のコーチに憧れつつ、社会科(地理)の教師も実は目指していました。 何故地理か?そうですね、旅する気分が良かったのでしょう。でも、今思うと、自分の原点には小学校の時の『料理人になりたい!!』と言う思いが根底にあったのだと思います。
母がとても料理好きで何でも手作りで作っていましたので、コロッケやシチューのホワイト・ソースはもちろん、ケーキだって自宅で何度も焼いてくれました。
事後報告でした!『俺さ、今日、大阪行って来たんだ。。。』って(笑) もちろん、驚かれました。でも、その日の出来事を生き生きと両親の前で語った記憶があります。
私の仕事は、日本語で言えば、総料理長。2F、3Fのレストランを取り仕切っています。もちろん1Fのレストランの味もチェックします。 お客様は、フレンチ最高峰の料理人であるロブションの味やサービス、クオリティを求めて来てくださるのですから、彼の味や店のイメージを再現する事が最も重要であり、崩さないのが私の使命でもあります。 日本とフランスでは、食材も水も違います。だからと言って、ロブションの料理をアレンジする事は絶対にしません。するのは、微調整です。 元を知っているから出来る。これが微調整なのです。 ロブションのイメージを言葉で表現するのなら、『清潔・厳格・優しさ・正確さ』です。綺麗な所でないと美味しい物は出来ないとロブション自身が常に言い続けています。もちろん、私達の厨房は美しいと感じる程です。料理に対する研究熱心さもあり、一種のラボラトリー(研究室)とも呼べるのではないでしょうか?
料理人が威張っている所は嫌いですね。レストランは、料理人1人で何もかも出来る訳がないのです。 サービス、料理人、その他全員がお互いにリスペクト(尊敬)しあいながら良いレストランは出来ると思うのです。それが本当のプロであると思っています。
ロブションが来日中は、もちろん自分が作った物を食べてもらいます。フランス料理界の偉大なシェフに直接味見してもらえ、意見をもらえるのです。とても凄い事であり、有り難い事だと思っています。
ロブションからの料理のダメだし?それはないですね(笑)「う〜ん。この料理は、次回にしよう!!とっても良いけど僕の好みじゃないかな。。。」と言うのです。1996年に彼は現役を引退して、今はプロデュース中心に世界中を飛び回っています。おかげで?今はとても丸くなりました。昔はもっと厳しかったのですよ。
レストランってチームプレーだと思うのです。個々の気持ちの段階が全員合っていないと良い物は作れないのです。凸 凹していたらまとまらないものです。皆のピリピリする気持ちが分かる分、あえて気付かせる為に言うのです。元気がない人や疲れて周りが見えなくなってしまった人に声をかける事で、『いつも目を配っているよ。見守っているよ。君の事ちゃんと分かっているよ。』とサインを送るのです。おかげで今では『なんで疲れているの??』が相手を思いやっているサイン(他にもあります)の総称として、【渡邊語録】などと言われています。
ずっとその思いを持ち続けていたら、ある時ロブションが日本初出店をする話が持ち上がり、辻調の主任教授の木下 幸治先生の紹介で面接を受けられたのです。見事受かり、初代日本人総料理長の指名により、当時の『タイユバン・ロブション』初代立ち上げメンバーの肉部門のシェフとして参加しました。世界中が注目している場所にいたと言う事、日本のフランス料理界の歴史に携れた事が一番心に残っています。
フランス料理を作り続ける者は、フランスを常にリスペクト(尊敬)し続ける事。常にフランスありきで考えて文化や日常を知ることで、初めて本当のフランス料理に近付けるのではないかと思います。それがフレンチシェフにとって大事な事だと思っています。
料理本を集める事です。和・洋・中、ジャンルは問わないのですが、特にプレミア本が気に入っています。創刊1号を集めたり、有名シェフのサインが入っていたり。あまりの多さに妻から、『マンションの底が抜けてしまうわ!!』なんて言われてしまうほどです。
最近『ソバリエ』を目指しています。ご存じですか?『ソバリエ』。蕎麦のソムリエ版です。私は江戸ソバ限定なのですが、これが結構大変なのです。10軒の食べ歩きレポート提出に、論文、講議もきちんと受けないといけないのです。ソバ粉はフレンチでもガレットやクレープなどに結構使う事もあって、興味が湧いて来たのだと思います。
あの時は、かなり慌てました(笑) 将来の夢は、私には3人息子がいます。ささやかですが彼等に店を残したいかな?? 料理人としての夢は、のんびり田舎で料理をしたいです。限定何名と決めて、マイペースでフレンチを作りたいものです。
従業員Aさん:渡邊シェフは、逆境を自分のものにする人です!!全ての風を受け止めつつ、それを全てプラスに変えてしまう凄い人です。 従業員Bさん:いつも皆の事を見ていて、厨房の人の熱気が熱くなっている時は、冷ましてあげて、逆に冷めている時は盛り上げて熱くしてくれる人です。なかなか普通 じゃ出来ませんよね。
従業員Cさん:職場の父です!!シェフとスタッフの距離がとても近く、頼もしい存在です。 従業員Dさん:壁がないです。おかげで何でも相談出来て、丁寧に教えてくれます。そして、やりたい事をやらせてくれます。 従業員Eさん: いっぱい気を使ってくれます。ずっと付いて行きたいです。
渡邊シェフとお会いして感じた事は、『穏やかな感じでありつつ、全てに真剣』。ゴツゴツしたものが表情からも言葉からも感じられず、大きなレストランをしょって立っているとは思えないくらい、とても穏やかなのです。それだけのキャパシティーが充分に備わっている大きな人間だと感じました。そしてお話を伺うと、本当にフレンチを愛している。仲間を愛している。ロブションを愛しているという真剣な思いがとても良く伝わって来ました。 また、どの従業員の方に伺っても、本当に慕われている感じが致しました。写 真の皆さんの顔を見て頂ければ、一目瞭然。誰も押さえ込まれたり、萎縮しているような方はいらっしゃいません!あのお城の外観からは想像も出来ない位 、従業員全員が自由にそして目的に向かって羽ばたいているのです。ジョエル・ロブション氏が唱えていると言う『CONVIVIALITE:お客様と一緒に楽しむ。緊張感をなくす。』というテーマは確実に従業員に浸透していると感じられずにいられませんでした。 これを読むと、渡邊シェフのプラスを引き寄せる力、従業員達の生き生きした仕事ぶり、まとまったチームプレーのプロの仕事を感じ、シャトーレストラン ジョエル・ロブションのイメージが少し変わったかと思われます。そんな面 を知りつつお食事をすれば、また違った印象のお食事になるのではないでしょうか?
シャトーレストラン ジョエル・ロブション
------------------------------------------------------------------------ 住所:東京都目黒区三田1-13-1恵比寿ガーデンプレイス内 TEL/FAX: 03-5424-1352/03-5424-1340 営業時間:11:30〜14:30(L.O.) 18:00〜22:00(L.O.) アクセス:JR恵比寿駅東口からは動く通路「恵比寿スカイウォーク」で約5分。 HP:http://www.robuchon.jp/