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パリ通信
今月の注目の人
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第1回 : アトリエ・ラ・ペッシュ
主宰: 【 小田川 さなえ 】

第2回 : ヴィクトリアン・ティーサロン
主宰 :【 木村 美千代】

第3回 : メ・ザンファン・カプリシュー
主宰: 【杉本 都香咲】
第4回 : デリス・ド・キュイエール
主宰:【川上 文代】
第5回: レストラン サリュー
オーナーシェフ:森本 秀和
第6回: ラミティエ
オーナーシェフ:宮下 清志
第7回: スクレ・サレ
オーナーシェフ:中西 貞人
第8回: ル・デッサン
オーナーシェフ:増田 稔明
第9回: ラ・グラップ
オーナーシェフ:加藤 清和
第10回: ボン・シュマン
オーナーシェフ:花澤 龍
第11回: レストランコバヤシ
オーナーシェフ:小林 邦光



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title--今月の注目の人




実は、野球が大好きで、野球のコーチに憧れつつ、社会科(地理)の教師も実は目指していました。


何故地理か?そうですね、旅する気分が良かったのでしょう。でも、今思うと、自分の原点には小学校の時の『料理人になりたい!!』と言う思いが根底にあったのだと思います。

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真

母がとても料理好きで何でも手作りで作っていましたので、コロッケやシチューのホワイト・ソースはもちろん、ケーキだって自宅で何度も焼いてくれました。

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
料理本も沢山あり、一緒になってテレビの料理番組も見ていたものです。あの番組「料理天国」が料理人と言うイメージを幼い頃の私に作ってくれたのでしょう。卒業文集に『料理人になりたい!』って書いていた程ですから。


浪人中、辻調理師学校(以下:辻調)の体験1日入学をしたのです。親には内緒で大阪まで新幹線に乗って行きました。

事後報告でした!『俺さ、今日、大阪行って来たんだ。。。』って(笑)
もちろん、驚かれました。でも、その日の出来事を生き生きと両親の前で語った記憶があります。

▲テラスは2005年10月末までシャンパーニュ・ガーデンが楽しめます ▲広いロビーには、真っ赤なバラのブリザードフラワー ▲今までの雰囲気とはガラッと変えてラベンダー色の1Fレストラン


辻調は、体験入学者にオムレツを作らせるのです。それが思いのほかうまく出来てしまって(笑) 他の誰よりも上手だったようで、「凄く上手い」って先生に誉められたのです。この時、上手く出来た事が人生を変えてしまって??運が良かったのか悪かったのか?



両親に「辻調に入学したい」と懇願しました。親としてはやっぱり大学に言って欲しかったようですが、私のキラキラした目、顔を見て思いを感じとってくれたようです。
シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真 フランス料理を選んだのは、本当にフレンチが一番面白いと思ったからです。 イタリアンも大好きで、良く食べに行くのですが、なんて言うのでしょう、自分の肌にあったと言うか?腹にしっくり納まると言うか?あの日常にない香り・・・バターの香りに誘われたのでしょうか??
もちろん、コック帽への憧れもあったのだと思います。あとは・・・性格でしょうか?私は左利きなのですが、和包丁は右利き用だけと聞き、勝手に『左利きの人間にはやりづらいのかな?』と思い込んでしまい、さらに『左利きだと周りの人に迷惑がかかる』なんて気を使ってしまったのです。変な所に気を使っていました。

▲渡邊シェフお一人で ▲スタッフと一緒に ▲ジョエル・ロブション氏

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
アンテナビンビンでした(笑)
今でも言えますよ。授業で習った料理名とそれを教えてくれたシェフは正確に!どこに何が書いてあるのかも。『なんでも吸収したい』って感じでした。

いつかあの教壇に立つ。プロになって帰って来る。30歳までにシェフになる!と心に誓っていました。
辻調を卒業した後、同校のフランス校でも勉強しました。全部で生徒は70人くらいでしょうか?実はあそこでは、かなり厳しい実力社会なのです。成績(技術はもちろん、コミュニケーション能力、人間性、協調性、そして即戦力としての適応力等。)でふるいにかけられるのです。その成績順で研修先のレストランの星の数が決まるのです。もちろん、トップの成績者1人が3つ星レストランへの研修に行かせてもらえます。私は2つ星でした。(苦笑)

▲見ているだけで美味しそう ▲戦力軍団です! ▲厨房はしっかり磨きます

私の仕事は、日本語で言えば、総料理長。2F、3Fのレストランを取り仕切っています。もちろん1Fのレストランの味もチェックします。


お客様は、フレンチ最高峰の料理人であるロブションの味やサービス、クオリティを求めて来てくださるのですから、彼の味や店のイメージを再現する事が最も重要であり、崩さないのが私の使命でもあります。


日本とフランスでは、食材も水も違います。だからと言って、ロブションの料理をアレンジする事は絶対にしません。するのは、微調整です。 元を知っているから出来る。これが微調整なのです。 ロブションのイメージを言葉で表現するのなら、『清潔・厳格・優しさ・正確さ』です。綺麗な所でないと美味しい物は出来ないとロブション自身が常に言い続けています。もちろん、私達の厨房は美しいと感じる程です。料理に対する研究熱心さもあり、一種のラボラトリー(研究室)とも呼べるのではないでしょうか?

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
近年ロブションがトータルテーマとして唱えているのは『CONVIVIALITE(eにアクサン有り)=コンビビアリテ:お客様と一緒に楽しむ』事。


私は、それを遂行する為に、常にお客様がどういう状態で食べているのか?それを伝えてもらう為、サービスと調理場のコミュニケーションの連携をスムーズにさせています。

料理人が威張っている所は嫌いですね。レストランは、料理人1人で何もかも出来る訳がないのです。 サービス、料理人、その他全員がお互いにリスペクト(尊敬)しあいながら良いレストランは出来ると思うのです。それが本当のプロであると思っています。


ロブションが来日中は、もちろん自分が作った物を食べてもらいます。フランス料理界の偉大なシェフに直接味見してもらえ、意見をもらえるのです。とても凄い事であり、有り難い事だと思っています。

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真

ロブションからの料理のダメだし?それはないですね(笑)「う〜ん。この料理は、次回にしよう!!とっても良いけど僕の好みじゃないかな。。。」と言うのです。1996年に彼は現役を引退して、今はプロデュース中心に世界中を飛び回っています。おかげで?今はとても丸くなりました。昔はもっと厳しかったのですよ。


シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真 本当に、嫌になった事なんてないです。今もお給料をもらって良いのかな?と思う程 楽しくて仕方ないのです。

よく、シェフという職業は、体力がないと続かないと言われますが、その点も問題は無いです。野球が大好きと言いましたが、野球に打ち込んでいた学生時代、400Mダッシュ10本なんて当たり前で、良く鍛えていたおかげで体力には自信があります。


修行時代も辛いなんて思った事ないです。確かに辛く厳しいのですが、私は常に辛さをプラスに変えるように考えているのです。だから今、当時を振り返っても辛いと思えないのだと思います。この意識を常に持つ事で、このレストランのOPENの時でさえ、そんな風には思わなかったものです。


あの時は新しくロブションが生まれ変わる大事な時期で、全員がピリピリしていました。でも、ピリピリしても仕方なのです。余計な力を無駄 な所に使っているだけなのです。私はあえて疲れている人に『なんで疲れているの??』なんて聞いたりしています。もちろん、意地悪でなく意味があります。
シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真

レストランってチームプレーだと思うのです。個々の気持ちの段階が全員合っていないと良い物は作れないのです。凸 凹していたらまとまらないものです。皆のピリピリする気持ちが分かる分、あえて気付かせる為に言うのです。元気がない人や疲れて周りが見えなくなってしまった人に声をかける事で、『いつも目を配っているよ。見守っているよ。君の事ちゃんと分かっているよ。』とサインを送るのです。おかげで今では『なんで疲れているの??』が相手を思いやっているサイン(他にもあります)の総称として、【渡邊語録】などと言われています。

▲雰囲気のある装飾 ▲バーは大人の雰囲気 ▲壁のラベンダー色は夜になるとシックです

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
フランス校の 学生の時、フランスのロブションのお店に食べに行きました。食べた時の衝撃とが今でも忘れられません。あまりの美味しさで今でもその時食べたメニュー全部言える位 です。


その時の感動が忘れられなくて、他の店で働いているのにも関わらず、心はロブションのあの感動が忘れられないのです。ロブションは、常に私の心の片隅にいる偉大な存在でした。

ずっとその思いを持ち続けていたら、ある時ロブションが日本初出店をする話が持ち上がり、辻調の主任教授の木下 幸治先生の紹介で面接を受けられたのです。見事受かり、初代日本人総料理長の指名により、当時の『タイユバン・ロブション』初代立ち上げメンバーの肉部門のシェフとして参加しました。世界中が注目している場所にいたと言う事、日本のフランス料理界の歴史に携れた事が一番心に残っています。


レストランの重要な事は、お客様を楽しませると言う事。大きくても小さくてもその意識は変わらないと思います。


重要なのは、料理、サービス、パンやお菓子、全ての従業員が個々の志の高さを均等にバラつき無く、プロフェッショナルの域に高める事です。
シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真 私はあえて若い人に『社会人としてのモラルを持て』と言っています。どこに行っても恥ずかしくない行動、身だしなみ、心構えが大切だと言う事です。人間として、社会人としてなっていない人がプロフェッショナルなどなれるはずありませんから。


そして、フランスに修行しに行く人には『フランス人が何をしているのか?何を考えているのか?良く見て来るんだ!』『文化を知る事が大切だ。』と言っています。

フランス料理を作り続ける者は、フランスを常にリスペクト(尊敬)し続ける事。常にフランスありきで考えて文化や日常を知ることで、初めて本当のフランス料理に近付けるのではないかと思います。それがフレンチシェフにとって大事な事だと思っています。


料理本を集める事です。和・洋・中、ジャンルは問わないのですが、特にプレミア本が気に入っています。創刊1号を集めたり、有名シェフのサインが入っていたり。あまりの多さに妻から、『マンションの底が抜けてしまうわ!!』なんて言われてしまうほどです。

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真

最近『ソバリエ』を目指しています。ご存じですか?『ソバリエ』。蕎麦のソムリエ版です。私は江戸ソバ限定なのですが、これが結構大変なのです。10軒の食べ歩きレポート提出に、論文、講議もきちんと受けないといけないのです。ソバ粉はフレンチでもガレットやクレープなどに結構使う事もあって、興味が湧いて来たのだと思います。

▲シェフ同士相談もします ▲出来上がったお皿をここに出して、サービスの方が運んで行きます ▲シェフ同士の仲は抜群


シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
夢。。。シェフ辞める事ですか?なんて、冗談です!(笑)でも以前働いていたタイユバン・ロブション カフェ・フランセ時代に、冗談で業者さんに『辞めようかな』 なんて言った時があったのですが、すぐ東京の知り合いのシェフ達から『なんで辞めるんだ??』と言う電話がかかって来たり、常連のお客様の間で「シェフが辞める前にちゃんと食べておこう!」なんて噂になって次から次へとお客様が来たり。。。

あの時は、かなり慌てました(笑)

将来の夢は、私には3人息子がいます。ささやかですが彼等に店を残したいかな?? 料理人としての夢は、のんびり田舎で料理をしたいです。限定何名と決めて、マイペースでフレンチを作りたいものです。

従業員Aさん:渡邊シェフは、逆境を自分のものにする人です!!全ての風を受け止めつつ、それを全てプラスに変えてしまう凄い人です。


従業員Bさん:いつも皆の事を見ていて、厨房の人の熱気が熱くなっている時は、冷ましてあげて、逆に冷めている時は盛り上げて熱くしてくれる人です。なかなか普通 じゃ出来ませんよね。

シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真
シャトーレストラン ジョエル・ロブション写真

従業員Cさん:職場の父です!!シェフとスタッフの距離がとても近く、頼もしい存在です。

従業員Dさん:壁がないです。おかげで何でも相談出来て、丁寧に教えてくれます。そして、やりたい事をやらせてくれます。

従業員Eさん: いっぱい気を使ってくれます。ずっと付いて行きたいです。

渡邊シェフとお会いして感じた事は、『穏やかな感じでありつつ、全てに真剣』。ゴツゴツしたものが表情からも言葉からも感じられず、大きなレストランをしょって立っているとは思えないくらい、とても穏やかなのです。それだけのキャパシティーが充分に備わっている大きな人間だと感じました。そしてお話を伺うと、本当にフレンチを愛している。仲間を愛している。ロブションを愛しているという真剣な思いがとても良く伝わって来ました。


また、どの従業員の方に伺っても、本当に慕われている感じが致しました。写 真の皆さんの顔を見て頂ければ、一目瞭然。誰も押さえ込まれたり、萎縮しているような方はいらっしゃいません!あのお城の外観からは想像も出来ない位 、従業員全員が自由にそして目的に向かって羽ばたいているのです。ジョエル・ロブション氏が唱えていると言う『CONVIVIALITE:お客様と一緒に楽しむ。緊張感をなくす。』というテーマは確実に従業員に浸透していると感じられずにいられませんでした。


これを読むと、渡邊シェフのプラスを引き寄せる力、従業員達の生き生きした仕事ぶり、まとまったチームプレーのプロの仕事を感じ、シャトーレストラン ジョエル・ロブションのイメージが少し変わったかと思われます。そんな面 を知りつつお食事をすれば、また違った印象のお食事になるのではないでしょうか?


 シャトーレストラン ジョエル・ロブション


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住所:東京都目黒区三田1-13-1恵比寿ガーデンプレイス内
TEL/FAX: 03-5424-1352/03-5424-1340
営業時間:11:30〜14:30(L.O.) 18:00〜22:00(L.O.)
アクセス:JR恵比寿駅東口からは動く通路「恵比寿スカイウォーク」で約5分。
HP:http://www.robuchon.jp/