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パリ通信
今月の注目の人
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第1回 : アトリエ・ラ・ペッシュ
主宰: 【 小田川 さなえ 】

第2回 : ヴィクトリアン・ティーサロン
主宰 :【 木村 美千代】

第3回 : メ・ザンファン・カプリシュー
主宰: 【杉本 都香咲】
第4回 : デリス・ド・キュイエール
主宰:【川上 文代】
第5回: レストラン サリュー
オーナーシェフ:森本 秀和
第6回: ラミティエ
オーナーシェフ:宮下 清志
第7回: スクレ・サレ
オーナーシェフ:中西 貞人
第8回: ル・デッサン
オーナーシェフ:増田 稔明
第9回: ラ・グラップ
オーナーシェフ:加藤 清和
第10回: ボン・シュマン
オーナーシェフ:花澤 龍
第11回: レストランコバヤシ
オーナーシェフ:小林 邦光


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title--今月の注目の人



御夫婦でレストランを開いていると聞いていたので、温かい感じの方達なのだろうと 思い、楽しみにしながらいそいそと出かけて行った所、ちょっとビックリ!『イケメン』でした!?そして、やはり奥様も美人!! 『そう来たか!?』と心の中で呟きつつも?気さくなのに丁寧なお人柄がとても好印象でした。

都営大江戸線の牛込柳町駅から徒歩1分にあるフランス料理 ル・デッサンにお邪魔して来ました。お店の名前である『Le Dessin』とあるように店内の絵は全てオーナーシェフの増田氏が描いたそうです!『美大に行かれたんですか?』と思わず聞いてしまう程!!そんな絵を描くのが大好きなシェフのお人柄に触れて来ました。

スクレ・サレお店の写真

柿沼(以下K):フランス料理のシェフになるきっかけは、なんだったのでしょうか?------
増田(以下M):本当はデザインをやりたかったんですよ。高校を出た後何をしたいかが本当になくて、唯一好きだった絵を描く事でも、デザインで食べて行く自信なんてほとんど無くて。。。そんな時、カフェでアルバイトをしていた事だけで、友人が『店をやればいいじゃん!』と、この一言だけで調理師学校に入ってしまった位 なんです。

スクレ・サレお店の写真
M : 学校を卒業して、さあ、いざ就職!と言う時も絶対にフレンチに行くぞ!と言う気持ちは全く無くて、当時調理師学校の講師だった井出シェフに『ハイ!お前決定〜〜〜!うちの店で働く事!』の一言でフレンチの道に入ったんですよ。(笑)

K:本当ですか?(笑)でも、続けていてあれ?って感じになったりしませんでしたか?------
M : 意外にね、コックもかっこいいジャン!って思ったんですよ(笑)ビシッとエプロン締めて、コック帽かぶっている所とかもね。 実は若い頃、僕は茶髪にロンゲでピアスまでしていたんですよ〜〜(笑)ものすごくいきがっていたと言うか、カッコつけていたと言うか。。。人生なめていましたね(笑)


K:えええ???そんな感じには全然見えませんが??
M :ホントですよ(笑)当時の座右の銘が『今に見てろよ!』だった位 ですから!アハハ!

スクレ・サレお店の写真
K:とても穏やかに見えるのですが、どう変わられて行ったのでしょうか?------
M :色々な人に出会って、イライラしても解決しないと言う事が年令を追うごとに分かって来たり、助けてもらったり、アドバイスもらったり。。。その積み重ねですね。
スクレ・サレお店の写真
K:いきがっていたと言うのは??-----
M:まずフランスに行くのに全財産18万円しか持って行かなかったし、フランス語も語学学校に事前に通 うとかしないでただカセットをチョコッと聞いた位だったしね。(笑)だから、『1,2,3』『コンニチワ』位 しか言えなかったですよ(笑)なんとかなるって思っていたんですね。人生なめてますよ!!(笑)
K:フランス修行時代のご自分はどんな感じでしたか?------
M:俺は俺だ〜〜!?と思っていた当時、お店の先輩達に 『お前、何しに来たんだ!日本に帰れよ!!』と言われた事があったんですよ。でも、これまた負けず嫌いな性格でね。お金もない、料理人として胸を張れる仕事も技術もろくに手にしてない、そんな状態のまま日本の友人に留学する!と言った手前、帰る訳には行かなかったんですよ!

M: それに、いっつもピリピリしてましたねえ〜。 反発心もあったんですが、仕事をバリバリしていればそれでいいと思っていたんです。 確かに、お店はいつもお客さんでいっぱいで忙しかったんですが、仕事を覚えてやる!って気持ちが大きくて。。。
スクレ・サレお店の写真
当時のシェフと今でも交流があるんですが、『あの時、お前いつもピリピリしていたな〜』とよく話す位 ですし! 今思うと、もっとフランス人とコミュニケーションとっておけば良かったと思いますよ。
スクレ・サレお店の写真
K:修行時代、辞めたいと思った事などありましたか?------
M:しょっちゅうでした(笑)でも、辞めたいと思いつつも性格上逃げるのが嫌だったので、人より知識や技術を学ぶのに一生懸命でしたね。当時のシェフも良く分かってくれて、今日出したメニューのレシピをそっと渡してくれたり。。。
あれは、とっても嬉しかったですね♪当時のメモ書きもまだ大切にしているんです。(赤茶けたルーズリーフや当時のメモ書きが沢山入った20年前の小さなノートを見せてくれました。一生懸命に挿し絵など入れて綴ったレシピが印象的でした。)20代はよく辞めたいと思っていましたが、30代になるとそんな事は思わなくなりましたね。嬉しい事が沢山出来て、喜びに変わって行ったんです!
K:そんな20代でも、とても嬉しかった事などありましたか?------
M:そうですね〜。同じように修行している仲間の年令が近かったおかげでライバル心が大きかったんですよ。そのライバル達とどこで差をつけるかと言うと、賄いだったんです。シェフは、美味しいともまずいとも言わない人だったので、おかわりをしてくれる時が凄く嬉しかったですね♪
スクレ・サレお店の写真

K:フランスに行って自分を見失うような事などありましたか?------
M:ありましたよ!『ここでいったい、何しているんだろう??』ってね。フランスに行って一番身にしみたのが、親や友人の有り難さですね。生意気なくせに淋しくてね(笑)

スクレ・サレお店の写真 当時メールなんて無かったから、手紙を書いたりして淋しさを紛らわすんだけど、日本に自分の気持ちが届くのが2週間後でね。手紙を読んで心配してくれても、 2週間もあれば、ケロッとしてたりして(笑) でも、よく思いましたよ。俺はいったい何しているんだろう??って。。。

M: 1日中仕事仕事で、しかも僕の場合、フランス語の実力が仕事に困らない程度だったので、実はこう言いたい、こう伝えたいと言う歯がゆさがストレスとしてあったんですよ。とても感謝して有り難くて。。。地面 に頭を擦り付ける位の思いなのに、それが伝え切れないのが残念でね。


とっても日本人的感覚で申し訳ないのだけれど、仕事で理解して欲しいと思って頑張りましたけど、それでフランス人に伝えようと言うのも無理ですよね??自分の思いが伝わっているのか?と不安になったり。

スクレ・サレお店の写真

K:自分の人生観が変わる出会いなどありましたか?------
M:僕には『人生のシェフ』と『心のシェフ』がいるんです♪フランス料理に導いてくれた井出シェフが人生のシェフなのですが、この方は実は側にいるだけで震える位 に恐くてね。でも、物凄く尊敬しているんです。

スクレ・サレお店の写真

M:人間に大事な事や義理・人情などフレンチを通して改めて教えてもらいましたし、コックはなんぞや?と言う事も。。。

K:コックはなんぞや?なのでしょう??
M: 無駄を出さない事は当たり前であるけれど、それ以上に客商売は職人だけでなく、サービス業でもある!!と。お皿1つに対するプレゼンテーションは立派なデザイナーであり、お店をきりもりする商人でもある!!と言う事を教わりました。

K:『心のシェフ』とは?
M: パリで知り合った日本人の短崎さんと言う、箱根で4年程一緒に仕事をした方なんですが、彼は若手の育成として、全てをまかしてくれたんです。自分の考案した新しい料理を見せると『いいね〜〜。』『こうした方がイイよ。』などとアドバイスをきちんと適格にしてくれましたし、仕入れからお客様に出すまでのトレーニングもさせてくれたんです。

スクレ・サレお店の写真
M:今、この店にアシスタントがいますが、10歳以上も年が離れている彼に対して首根っこつかまえてもいけないし、なーなーでもいけない。10歳違えば発想も違うし人間そのものが違うと言ってもいい位 ですよね。人を使うと言う事は、バランスが大切なんです。教え方も人によって変えなくてはいけないし。それを心のシェフから教わった気がします。
スクレ・サレお店の写真 K:心に残っている最大の出来事はなんでしょう?
M:やっぱり、この店のOPENですね。今度の8月で丸2年になりますが、あの時青山のポワロ−でシェフをしていて、自分の店を持つと言う事に対して半分『面 白そう』半分『意地になっていた』んです。
K:意地になっていたと言うと?
M:ポワローの売り上げを上げて行くぞ!っていう思いが強かったんです。

K:半分半分の気持ちが全部になった切っ掛けは?
M:ポワロ−の姉妹店でピニョンというブラッスリーでシェフをしていた時、サービスをしていた彼女(奥様)がOLをしていたのに「本格的にサービスをやる!!」と言い出して、『これは本物だ!!』とその気持ちに動かされたんですよ。彼女の影響ですね。

スクレ・サレお店の写真
K:お店を出す際、周りのお店は気になりましたか?------
M: 気にすると言うより、僕はお店同士仲良くして地域を盛り上げたいって気持ちが大きいから、ライバル店という意識は無いんです。OPENの時も挨拶に行きましたしね!それが出会いになるじゃないですか!人との縁を作ってくれる神様は必ずいるんですよ♪
スクレ・サレお店の写真

M:人との出会いとは、凄い事だと思うんです。あのいきがったバカなガキが、こう思えるようになったのも人との出会いなんだと本当に思うし、その時々の出会いがなければ、今の自分はないと本気で思いますよ。

K:最後に今後の抱負・夢をお聞かせください------
M:そうですね〜。抱負はせっかくフレンチのお店を出したので、お客さんにまた来てもらえるようなメニューを考えて、全速力で頑張りたいですね。

M:夢は、僕の所にいたアシスタントが『デッサンの増田さんの所にいた』と言ったら皆が納得するくらいにメジャーになりたいですね。メジャーと言うとなんか変ですね。。。うまく言えませんが。。。そして、このお店を辞める時は惜しまれて辞めるような人間・お店になりたいです!!

中西シェフとアシスタントの写真

お話の間に『いきがっている』『ガキだった』『人生なめていた』との単語が何度も登場して来たのですが、そんな増田シェフのお話を聞いていると、生意気だったと言いつつもそれがとても誇らしいと言うか(とても良い意味で)懐かしいと言うか、きっと当時の自分も大好きだったのではないでしょうか?その当時の自分があってからこそ、今の自分がある!という感謝の思いがとても良く伝わって来たのです。過去の自分を笑いながら楽しそうにお話する姿がとても印象的で、とても人を大事にする方(人との出会いを大事にする方)だと感じました。


また、最後のお客様がお腹の大きな妊婦さんだったのですが、 きちんとお店のドアの外まで見送り、『元気な赤ちゃん生んでください!!』と一声かけていた姿を見て、お客様もそして私までも嬉しくなってしまいました。


奥様もとても美人でさりげなく、穏やかな風のような方でした♪喧嘩はしないそうですよ!話し合いを良くするのが夫婦円満の秘けつとか?写 真を写す時、さり気なく真ん中に引き寄せるシェフの姿を見て、本当に仲が良いんだわ♪と微笑ましく見てしまいました♪お写 真イイ笑顔ですよね♪



こんな素敵な御夫婦のお店『Le Dessin』に訪れてみませんか?



 フランス料理 ル・デッサン


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住所:東京都新宿区原町2−6−7 ハイツエムエス1F
電話番号: 03-3353-2223
営業時間:12:00〜14:00(LO),18:00〜21:30(LO)
定休日:水曜日,第3火曜日
最寄り駅:都営大江戸線「牛込柳町駅」徒歩1分
駐車場: なし