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パリ通信
今月の注目の人
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第1回 : アトリエ・ラ・ペッシュ
主宰: 【 小田川 さなえ 】

第2回 : ヴィクトリアン・ティーサロン
主宰 :【 木村 美千代】

第3回 : メ・ザンファン・カプリシュー
主宰: 【杉本 都香咲】
第4回 : デリス・ド・キュイエール
主宰:【川上 文代】
第5回: レストラン サリュー
オーナーシェフ:森本 秀和
第6回: ラミティエ
オーナーシェフ:宮下 清志
第7回: スクレ・サレ
オーナーシェフ:中西 貞人
第8回: ル・デッサン
オーナーシェフ:増田 稔明
第9回: ラ・グラップ
オーナーシェフ:加藤 清和
第10回: ボン・シュマン
オーナーシェフ:花澤 龍
第11回: レストランコバヤシ
オーナーシェフ:小林 邦光


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title--今月の注目の人

加藤清和 写真

取材当日は、残念ながら小雨がパラつく雨の日でした。お店にたどり着いた際、いつもの通 りお店の外観を写真でパシャパシャと撮影していたら、中からソムリエの方が出て来て『あ・・雷かと思って・・・』と。なんだかお互い笑ってしまいました!?お店の外から感じる雰囲気と従業員の方の雰囲気がとても合っていて嬉しくなってしまいました。

西麻布にある赤いファサードが目印のお店『ラ・グラップ』にお邪魔して来ました。外観が赤いひさしで可愛い印象を受けたので、中もそんな感じかと思いきや、中はいたってシック路線。ピアノのクラシックが流れ、丸い円卓と四角いテーブルがバランス良く配置され、照明も少し雰囲気のある感じでした。

スクレ・サレお店の写真

そしてご挨拶に来てくださったマダムがこれまた美人♪(前回に続き、フレンチのシェフは何故美人の奥様をゲットできるのかしら??偶然でしょうか?)この素敵なお店のオーナーシェフ:加藤氏のお人柄に触れて来ました。

スクレ・サレお店の写真 柿沼(以下K):フランス料理に惹かれた理由・選んだ理由をお聞かせください------
加藤(以下K):『消去法ですね・・・』

K:消去法??
K:ハイ、消去法です。(ちょっと笑)自分の中で食べるものと言うのが『和・洋・中』しかなく、和食はイメージ的に厳しそうだったんです。(ちょっと笑)中華は作ると言うより、食べるイメージが強くて、洋食は当時イタリアンと言う概念がなく、あってもスパゲッティ屋さんて感じだったので、消去法でフランス料理になってしまいました。(ちょっと笑)

K: どうせやるなら本格的に!と思ったのもあるのですが、高校生の時、ファミレスや喫茶店系でバイトしていたのも飲食業に入る流れにつながるのかと。料理は面 白い、好きと感じていましたし。 当時、やりたい事があった訳じゃなく、流れで何となく・・・・って感じです。 でも、入ってから頑張りましたよ。 (ちょっと笑)

K:修行時代の印象に残る出来事などありますか?辛かった事や嬉しかった事など。------
K:辛い事・・・ないですね!
K:(そんなはずはない!!)
K: 嬉しかった事は・・・まだ人生半分も行ってないから分からないかな?あ!お店を立ち上げるお金を借りれた時は嬉しかったですけど。(ちょっと笑)

スクレ・サレお店の写真
K:駆け出しの時の厳しいなあ〜生活・・・とかは?(この質問の仕方ならどうだろう??)
K:あ!当時住んでいたアパートで、家賃1万円台を探したら郵便ポストが自分以外全て『キムさん』とか『チンさん』とかでした!! 中国人ばかりで、さすがに自分が悲しくなりましたねえ?『俺、なんでここにいるんだろう??』って(笑)
スクレ・サレお店の写真
K:アハ!(笑)中国人と会われる事なんてあったんですか?
K:風呂無し、トイレ共同だったんですが、自分の帰宅がいつも遅かったので、会う事はなかったかな??
K:お風呂がないと銭湯に行かれたと思いますが、帰りが遅くても開いてたのですか?------
K:近所の銭湯が10時半で終わってしまって、外れた所に夜中の1時までやっている所があったんですが、チャリで行きましたね。冬場がこれまた寒くて寒くて・・・せっかく温まったのに凍える寒さで、あれは辛かったです。
K:う〜ん。聞いているだけでも寒そうですね。。。(ありました。辛い事。)
K:フランス留学時代、日本では味わえなかった事などありましたか?-----
K:空港に着いたとたん、ビビりました(笑)着いたら当たり前なのですが、皆フランス語喋っているので。(笑) 24歳の時、先輩を頼って行ったのですが、自分の中では『行けばなんとかなるだろう!』とタカをくくって仏和辞典しか持って行かなかったんです。(笑)なめてますね。
スクレ・サレお店の写真
K:そ・・それで、どう勉強したのですか?実践あるのみ??ですか?
K:それだけじゃ無理だったと思います。実は、自分の置かれている立場をようやく理解して、あわてて日本にいる両親に『テキスト送ってくれ!あと、和仏辞典も!!』と頼んだんです。(笑)


K:アハ!では、テキストは何を利用されたのでしょう?(勉強するのに、何が効果 的か知りたくて・・・)
K:僕の場合、NHKラジオ講座の1年分が詰まっている奴です。もう、やらざるをえない状況で、単語は何度も書いて覚えて、繰り返し聞く事が一番ですね。
スクレ・サレお店の写真
K:どれくらいの期間でしゃべれるようになりましたか?
K: 3ヶ月でようやく耳が慣れる程度ですよ。まともにしゃべれるのは・・・1年ですかねえ??勉強しているのならフランス行った方が早いですよ!(笑)
K:習うより慣れろですね!(笑)
K:語学以外では何か感じられましたか?------
K: 日本では味わえない事・・・逆に日本の良さを見直せた事かな?フランスは田舎ばっかりで自然が綺麗なんです。自分が東京出身なのでそう感じるのかもしれませんが、日本にもこんな所あるんだろうな。。。って。
K:料理でも感じられましたか?
K:料理で美味しくて感動する事はなかったですね。技術的に学んだなあ〜って事もないかな??フランス人の普段の食事はすごく質素なんです。「パンとサラダだけ」とか「チーズとワインだけ」とかで。
スクレ・サレお店の写真

K:あ、唯一あるとすれば、デザートですね。自分が甘いの得意でなかったのですが、好きになりました♪甘さ控えめが美味しいと思わなくなり、一定以上の甘さがないとバランスがないと学びました。

スクレ・サレお店の写真 K:フランス人は「これだから何々人は・・・」と何でも決めつけたりすると聞いた事もありますが、そんな事はありましたか?いやがらせとか??------
K:う〜ん。それはないですね。気さくで普通に温かかったです♪自分が外人だから珍しがられて話し掛けてくれましたし、こちらからも話し掛けたり。コンチワ〜って感じですね!あ、お店で『イタリア人はカッコつけだ!!』と言ってた事があったかな?(笑)

そんなに嫌な思いはなかったですね。あ・・・でも、泥棒に入られました!!2回程。

K:2回も??泥棒???えええ???何取られてしまったんですか??
K:1回めは、同じ仕事仲間のチュニジア人にやられました。。。リュックごと持ってかれてしまいましたね。何入ってたかなあ?あ、ラジカセ持ってかれて、カメラもやられた。リュックに入っていたNHKのフランス語テキストは置いてくんですよ!!(笑)


K:アハ!!笑っちゃいけないですが、笑っちゃいます!
K:ま、僕より彼の方がフランス語うまかったし、用はなかったかと??
K:と言うより日本語分からないし??
K:そうだ!そうです。 (笑)ハハハ!!

スクレ・サレお店の写真

K:2回めは近所のガキです。大抵フランス料理のお店は、住み込みのスタージュを受け入れる為の施設があるんです。まあ、施設と言っても屋根裏のような感じですが。。。2階の 窓辺にはしごをかけたみたいです。窓のサンに子供らしき小さな手の跡があって、 すぐに『あ!!やられた!!』と思って取られたのを確認したら、お金は取って行かなかったんです。 ちょうど大金持っていたので、心配したんですが・・・
K:何を追って行ったんでしょう??
K:タバコひと箱。。。

スクレ・サレお店の写真 K:タバコ??お金じゃない所が子供らしいと言うかなんというか??
K:せこい奴ですよねえ〜。(笑)でも、タバコって高いんですよ。実はマリファナなんかよりも高くて、僕がフランスにいた間にも4回も税金が上がったくらいなんで。
K:え?マリファナ??フランスの田舎で??
K:あるんです。フランスの田舎でもちょっと大きな街の繁華街なんか行くと、アラブ系の人間が建物の影から『プスプス・・・』って言うんです。

K:プスプス??
K:アラブ系の言葉で『ねえ〜ねえ〜』って意味ですね。『プスプス・・・』って言いながらおびき寄せてマリファナを買わないかって。
K:知らなかった・・・ホントですか??じつは恐い国とか??

スクレ・サレお店の写真
K:フランス人は恐くはないですよ。悪い奴もいないし。アメリカなんかよりはずっとイイ国です。でも、外人のスタージュ生なんかは大概持っているんですよ。
K:はあ〜〜。知らざれる世界です・・・


K:アラブ系の人が集まっていると、ちょっと恐いかも?車の中で平気でピストルをいじっているのを見ちゃうと、もう、目を合わさずにスタスタ早足で逃げてました(笑)
K:それは逃げます!!日本じゃ考えられませんね。。。
スクレ・サレお店の写真 K:恐い話は置いといて?フランス留学は4年半位 で、すぐに日本に帰られたのですか?
K: 本当はすぐに日本に帰りたかったんですが、帰るチケット代すら無くて、仕方無しにギャラの良いスイスに行きました!まあ、フランスを外から見たかったと言う好奇心もあったんですけれど。

K:ギャラの良い?スイスはギャラがイイのですか?
K:いいんですよ〜♪フランスで5〜6万をもらえるのが良い方なのに、スイスはその5倍以上!月に27〜28万はもらえるんです。

K:そ〜〜んなにいいんですか??あ、スイスは物価が高いって言いますし。
K: 高いですよ! 日本と同じくらいって言いますしね。

K:どうやってスイスのレストランに入ったのでしょうか?紹介とか?
K: スイスの時は、自分で履歴書をA4の紙に書いて送りました。電話もしましたね。5〜6軒に出してその中の2軒に行きました。

スクレ・サレお店の写真
K:スイスはいかがでしたか?何がフランスと違ったのでしょうか?
K: そうですね、スイスは移民の国(フランス語圏とかドイツ語圏とか色々あります)のせいか、ちょっと人が冷たい感じだったかな?それに、国連ビルとか建造物が素晴らしくて、フランスが全体的に田舎だって感じましたね。あ、チーズのグリュエール村に行った時は、電車の両窓からいきなり広がる草原と牛や羊を見て、あんまり綺麗で感動してジワ〜〜っと涙しちゃいました。(笑)
スクレ・サレお店の写真

K:そんなに綺麗だったんですか?涙する程??
K:綺麗でしたねえ〜〜(ニコニコしながら想像している感じの顔で)まさにハイジの国でした♪いいですよ〜。一度行ってみてください!!感動します!
K:そんなにイイなんて♪♪(シェフのおかげで、ちょっと帰りに駅にあるスイスのパンフレットなんて持って帰って来ちゃいました♪)

K:お店をこういう風にしたいと思う事はありますか?また、逆に嫌な事などあるでしょうか?------
K:お店を立ち上げてまだ半年なので、うまく行くようにしたいですね。今の現状に満足はしていないけれど、嫌な事なんて、不満な事なんて無いです。苦労も楽しいかな?(笑)う〜ん。でも、あえて嫌な事を言うのなら、事務的な事もしなくちゃいけない事?かな? (笑) その程度ですよ。

K:最後に、将来の夢をお聞かせください。------
K: ゆめ・・・若い頃は、本気で厨房で死ねたら本望なんて思っていました(笑)最近は畳が良いなあ♪ハハハ!!老後は居酒屋さんかな?
K:居酒屋さん?フレンチをずっと続けるので無く??

中西シェフとアシスタントの写真
K:もちろん、お店を続けますよ!自分を見失わず、お客様の『また来ます♪』が聞きたくて、見たくて、続けているのですから!でも、フレンチは体力的にかなり重労働なんです。50〜60歳過ぎたら現実的に厳しいですからね。フレンチに未練は無いとかそんな事は絶対無く、お弟子さんをきっちり育て上げて、フランス料理業界を盛り立てたい気持ちもしっかりあります。これは今後の課題ですね!

加藤シェフとお話をしていて、人見知りをされる方だと思うのですが、話を具体的に聞いて行くと、どんどん楽しい話が出て来るのです。もしかしたら、ご自身で色々な面 で「こんな話をしても・・・」とか、「それは、そんな大した事は無い!」と思っているのかも?それがあまり自ら語らない理由??でも、実はシェフの内面 はとても魅力的でした!!

ものすごく生真面目な方がフランス料理を真正面で『フランス料理とは〜〜!!』と叫ぶのと違い、ちょっと30度位 横から冷静に見ている感じです。そして、自分なりにそれを一生懸命料理で表現しようとしているのです。自分を言葉で表現するのが苦手?な分、お料理で表現されるのでは無いでしょうか?真面 目で実直な方。そして、普通の方が感じる『辛い・苦しい・嫌だ・メンドクサイ』と言う針の触れ幅が少ないのかと思います。掘り起こして聞くと、『あ・・・そうそう』 と言う感じに出て来るので、嫌な事はいちいち気にしない。と言うより、そんなに重きを置かないと言う感じでしょうか? もともと真面目で実直な分、料理にもその性格が表れているはずだと思います。そして、雰囲気があり、温かみの感じられるしっとりとした店内からも想像出来ます。


また、シェフと お話をしている間、スッとマダムがさりげなく助け舟?を出されていて、お話に華が添えられました♪とてもイイ感じの御夫婦です。

私の勝手な思いですが、マダムは、個人的にお友達になりたいタイプでした♪♪♪


こんな素敵な御夫婦が開かれているラ・グラップに訪れてみてはいかがですか?



 ラ・グラップ


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住所:東京都港区西麻布1-11-1 ドリーム小野塚1F
電話番号: 03-3403-2029
営業時間:11:30〜13:30、18:00〜21:30
定休日:水曜・第一火曜定休
最寄り駅:都営大江戸線・東京メトロ「六本木駅」徒歩7分
駐車場: なし