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title--今月の注目の人

私の周りには、フレンチ愛好家と言うべき方々が多数いるのですが、その友人知人に美味しいお店をあえて挙げてもらうと必ずこの『レストラン コバヤシ』の名前を挙げます。それだけ料理の味、質、サービス共にピカイチだと常々感じていた所、幸運にも取材させて頂く事ができました!オーナーシェフの小林氏はどんな方なのか?厳しい方なのか?優しい方なのか?想像を膨らませながらお伺いして来ました。

当時、和・洋・中のジャンル分けはあっても、洋食の中で、どれがスペイン料理か?イタリア料理なのか?フランス料理なのか?情報が少なすぎて分からなかったのです。

でも、分からないなりに就職の際、3〜4軒のレストランの面接を受ける為、ランチを自腹で食べに行ったのですが、聖徳調理師学校で講師をしていた先生の味が一番美味しかったのです。

レストランコバヤシお店の写真

と言う事で?その先生のレストラン「キクヤ」(今で言う洋食とフレンチの合いの子のようなレストランです。)に就職したのが始まりですね。フレンチが以前から興味があって選んだ訳ではないです。

ありますよ〜(笑) 私はぶきっちょでね。自分の中でこの料理はこの調理法!と言うのが決まってしまっていて、そこから抜けだせなくなるんですよ。

だから、築地から魚を取り寄せていた時は、自分が欲しい魚が入っていなくて、困ってしまうんですよ。

他の人なら魚が変わってもバシッと決められるものかもしれないですが、 私は料理がこなせなくて。。。自分がどうしていいのか分からなくなってしまうんです。一応はその場で変えるんですけどね。その料理に納得行かないんです。

今は築地に週に2,3回、自分でいいものを探しに行くんです。取り寄せた方が安いんですが、やっぱり新鮮なもの、その時々の美味しいものが欲しくてね。

料理は本当にデリケートですよね。 鮎のテリーヌを毎年出しているんですけど、これがその年、その月、その日ごと違う味になるんです。


毎日の小さなズレが一ヶ月すると大きくずれ込んでしまったり。。。大きくコケているのに、自分が気付かない時が一番恐いですね。

レストランコバヤシお店の写真
この料理を作り始めたのが5年前なのですが、味が変わって行く事の理由がさっぱりわからなかったんです。お客様に『前回は美味しかったのに、今回は悪いね!』と言われてしまうと、凹んでね。。。でも、お客様の言う事は何かある訳で、ヒントになる事がいっぱいあるんです。
レストランコバヤシお店の写真
当時、鮎の数が悪いのかな?と思って、11尾がいいのか?12尾がいいのか?いやいや、13,14尾....と試行錯誤の連続でしたが、今ここにタイムマシンがあったら、去年や一昨年の自分に『バッカじゃね〜の!!本数じゃないんだよ!鮎の脂の量 なんだよ!!』と言いたいですね。(笑)

一番大切なのが、鮎の脂ののり。季節によって脂ののり方が全然違ったんです。背中や内臓にも脂がのっていて、それが原因だと気付かなかったんです。料理は失敗しないと分からないものですね。

この脂に気付いてから、鮎の状態によって、バターを多くしたり、少なくしたり、野菜を入れたり増やしたり。ようやく内臓のほどよい苦味風味、パテの固さが自分の理想に近い状態になってきました。

ここまで来るのに5年かかりましたよ。(笑)ほんと、日々戦いであり、自分との戦いでもありますね!
レストランコバヤシお店の写真

柿沼(以下T):鮎のテリーヌの他に悩んだ料理もありますか?
小林(以下K): そうですね〜。トマトのゼリー寄せも決まらない時は決まらないですね=。これもやっぱり、お客様にダメ出しされてね。なんで??と思ったら知らない間にトマトの産地が変わっていたんです。ホント別 物でした!?こんな事でも自ら気付いてコンコンコン〜サクサクサク〜〜って出来る人はいいのでしょうけど、私はいつも叩かれて叩かれて、『イタイ!!イタイ!!』て言いつつ、手探りで美味しいものを試行錯誤で見つけて行くんです。

辛い事。。。たくさんありますよ〜。そうですね〜。一番辛いのは『味、お金、人』の事かな?その中でも、やっぱり人の事ですね。


自分の未熟さで従業員に厳しくあたってしまう事が昔ありまして。。。自分の伝えたい方向と違う方向に解釈されてしまって....結局辞めて行かれた時は、本当に辛かったです。
レストランコバヤシお店の写真
最近、1回怒られただけで辞めてしまう人が多いと聞くのですが、私が思うに、お店側の問題もあると思うんです。ああ、もちろん、辞めてしまう人にも何かしらあるはずですけれど。やっぱり、小さい店って少ない人数で限界ギリギリまでやるじゃないですか。そうすると、やっぱりね。お互い気持ちに余裕がなくて。。。


シェフのパワーや味の魅力だけが全面に出ている店は俺について来い!って感じで新人には辛いのかも??どっちの気持ちも分かるけど、未熟な部分がそうさせているのかなと。。。ほんと難しいですね。。。
レストランコバヤシお店の写真
これは無いですね!仕事を辞めたいと思った事は本当に無いんです。結局は料理が大好きって事だと思うんです♪


ああ。。。でも、一回だけ無理かな〜。。。って思ったかな??
若い頃、酷い手荒れに悩まされましてね。ジャガイモやアスパラ、トマトやニンニクなどの野菜のアクが原因で、手がボロボロになった事があるんです。

もう、かゆくてかゆくてたまらなくてね。指に水泡とか出来てしまって、かくと血と水が一緒に出て来るんですよ。寝ている時も無意識にかいてしまっていて、朝起きると指が5本全部くっついてしまって第一関節しか動かないんです!!かけふとんには血がベッタリついていたり。。。
かゆさを取る為に、ぬるま湯に手をつけるとこれまた気持ち良くてね〜♪でも、手を擦り合わせると、血がブワアアアア〜〜〜って一気に出て来てお湯が血で染まるんですよ。恐いですよね。。。


医者は材料に触らないで仕事しろと言うのですが、そんな事無理ですよね〜〜(笑)
レストランコバヤシお店の写真

先輩方には『女みたいな肌をしているからだ!!』な〜〜んて言われたり。。。(T:艶があって綺麗な手でした♪)

当時のシェフは鍋の音をたてるな!!綺麗な仕事をしろ!!と要求する方だったので、 自分の手が仕事について行ってくれない事に物凄く自分が周りと比べて浮いているように感じたんですよ。こんなんじゃ無理かなあ〜って。。。あの時初めて思いましたね。

レストランコバヤシお店の写真
でも、悩んでいる時、そこのシェフが『小林、第一関節の部分だけ切った軍手をしてやってみろ!』とアドバイスしてくれたんです。 そうしたら、2〜3週間でみるみるうちに治ってしまって!?ビックリですよ!! でも、料理人はそうゆうアレルギーに突然悩まされた人、また悩まされている人多いと思うんです。この方法はお勧めですよ。軍手の内側に薬を塗ると効果 覿面です!
そうですね。色々あるんですけど、28歳の時、店をOPENした事かな?本当は、フランスに修行に行きたかった時期でもあったんですけど、お店を出すタイミングは今しか無い!!と言う時だったので、右も左も分からなかったんですが、立ち上げたんです。


自分の周りの人間もお店を持っている人はいなくて、情報交換も出来なかったんです。

ホント〜に訳も分からずOPENしたので、原価計算とか税金とか何も知らなかったんですよ(笑) 税金なんて税務署の人が来て、指摘されて分かるって感じでしたし、原価計算なんかもどうやっていいのか分からなくて、当時は自分の作りたいものを沢山出して利益なんて考えもしなかったですね。アハハ!!
レストランコバヤシお店の写真
レストランコバヤシお店の写真 だから、出し過ぎちゃって困るって事なくて、一ヶ月の売り上げなんかもぜ〜〜んぜん知らなかったんですよ(笑)

ただお客様に美味しいものをいっぱい食べてもらいたくて、もう、周りの事なんて何も見えて無かったんですね。レストランに税理士が普通 はついているものだって事も、知り合いのシェフから教えてもらって『なるほど〜〜!』なんて感心してたりして(笑)
でも、だんだん大人になって、何ごともルールがあるって気付いて来たんです。ここは、自分だけで回っているのでは無く、働いてくれた人にちゃんとお金を渡さないとダメだと言う事。
忙しい時にヘルプに入ってくれる友人に感謝する事。お客様を友人知人が連れて来てくれて、今のお店があると言う事。


やっぱり、OPENの事もあるけど、全てにおいて大切な事を、このお店が教えてくれた事が重要というか、心に一番残る事かな?
レストランコバヤシお店の写真
フランス人シェフの レシピ本を買って、気になるものを何十品と試作する事ですね。その中で1つがうまく行ったら、自分の力量 に合わせて変えて行く感じです。自分のスタイルに合った美味しい料理であれば、いいと思うんです。
レストランコバヤシお店の写真

フレンチを食べなれている人でもそうで無い人でも、同じだと思うんです。


お腹が教えてくれると言うか、体にすんなり浸透する感じ?すんなり入る料理なのか、そうでないのか?美味しい基準てそんなものかな?って思うんです。

このストレス発散法は皆にお勧めです♪
『夜釣り』なんですけど、仕事が終わって『じゃ!お疲れ〜!!』と皆に言いつつ、 車でそのまま夜釣りに行くんですよ。アクアラインの所に干潟がありまして、干潮を狙って4km先まで胸まである長靴を履いてズンズン沖まで歩くんです。ほんと、東京湾のど真ん中?位 まで行けるんですよ♪

T:へええ〜〜〜!!!魚つれるんですか??
K:釣れますよ〜〜スズキなんてどこでもいるからね!この間なんか、こ〜〜んなおっきな( 手で長さを表現)のを釣ってね。80cm以上はあったかな?(笑)

よく地元の釣り友人と行くんだけど、予定が合わない時は、1人で行っちゃうんです。でも、やっぱり1人で行く時はかなり気を付けますよ。

レストランコバヤシお店の写真
T:そうですよね〜。波に飲まれても、1人だったら誰も気付いてくれない??
K: そうそう。そうなんですよ!この間、葛西臨海公園まで行って、公園から海に入ったんです。真夜中でしょ?それに、あそこは夜カップルばっかりでね〜。アハハ!!1人で真夜中海に向かって歩いて行くもんだから、女の人の声が聞こえるんですよ『あの人、自殺する気じゃ無いのおおおおおおおお〜〜〜!!!』って。アッハッハ!!
T:それは思いますよねえ〜。アハハ!!そんな時、何か言うんですか??(笑)


K:言いますよ〜『釣りだよ〜〜釣り〜〜!!』ってね♪(笑)ほら、知らないで警察なんて呼ばれたら大変じゃない!ちゃんと言わないと皆に迷惑かかるし(笑)

あそこは、休みの日に行くと、ディズニーランドの花火がど真ん中で見えるんですよ♪いいよ〜♪釣りはいいね〜。スズキなんてホント目黒川でも釣れちゃうし、場所によっては胸まである長靴のようなものを履かなくても、スニーカーでも出来る所あるしね。料理人の人にホント、お勧めしたい趣味ですね♪

T:凄いですね〜〜夜釣りがそんな魅力があるとは!!(喜) 釣れたものも料理人なら簡単にさばけるし♪

そうですね〜。全て自分は発展途上だと思っているので料理、サービス、調理場、人、従業員など全てをコツコツと向上させて行くだけです。

これて、果てしない夢で究極だと思うんですよ!(笑)

T:フランスとか海外に行きたい気持ちなんて今もあるのでしょうか?
K: う〜ん。思わないかな。やっぱり、ココが好きだから♪地元が一番です!

T:シェフのどんな所が、良い所だと思いますか?逆にこれは・・・って所などありますか??

従業員Aさん: シェフは自分が納得しないものは出さないんですよ。いるじゃないですか!「まあ、いいか。。。作っちゃったし。」って言う人。そんな人じゃないので、そこは凄いと本当に思いますね!

それに、ある一定の所まで出来ていれば、従業員に対して好きにやらせてくれるんです♪ 手が休んでいると、「掃除でもやれ!!」って言うシェフがいますが、そんな事は絶対ないですね。とても居心地がいいお店です。

従業員Bさん:裏表がないですね〜。あのまんまですよ(笑)

小林シェフとお話させて頂いて、あの魅力はなんて言うのでしょう?ご自分の事を『ぶきっちょ!ぶきっちょ!』と表現する事が多かったのですが、私から見て、とても謙虚でありつつそして料理に対して真摯なのです。フレンチ好きなお客様から味もお店もサービスも評価されているのは、お料理からそんな思いが溢れているのではないでしょうか?


小林シェフを表現する言葉としては、『綺麗なシェフ』と言う表現がしっくりおさまるのでは??素直にそう感じる事が出来る男性は今までおりませんでした。凄い事ですよね。なんでしょう?透き通 ったというか、広い広い何か綺麗なイメージです。


本当に、ありのままの姿を見せてくれたシェフ。仕事柄、私は色々な方と接して「自分を作っている人・隠している人・本心を見せない人」と言うのは、なんとなく肌で感じるのですが、小林シェフはそんなガードは一切見えませんでした。多分、それが全てにおいて問題や難題を正面 から受け止められ、マイナスをプラスに吸収出来る資質なのではないでしょうか?


そんな持って生まれた素晴らしい人間としての資質があの料理を生み、従業員から慕われ、お客様を呼び込むオーラとなっているのではないかと思います。平井という土地で12年もフレンチ一本で続けられている。それは、その資質やオーラのおかげではないでしょうか?


そんな シェフの作る料理は、本当に素晴らしいでしょう。皆様も一度足を運ばれてみては如何でしょうか?



 レストラン コバヤシ


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住所:東京都江戸川区平井5-9-4
電話番号: 03-3619-3910
営業時間:11:30〜14:00、18:00〜21:00
定休日:火曜日 定休
最寄り駅:JR総武線「平井駅」徒歩3分