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第1回 : アトリエ・ラ・ペッシュ
主宰: 【 小田川 さなえ 】

第2回 : ヴィクトリアン・ティーサロン
主宰 :【 木村 美千代】

第3回 : メ・ザンファン・カプリシュー
主宰: 【杉本 都香咲】
第4回 : デリス・ド・キュイエール
主宰:【川上 文代】
第5回: レストラン サリュー
オーナーシェフ:森本 秀和
第6回: ラミティエ
オーナーシェフ:宮下 清志
第7回: スクレ・サレ
オーナーシェフ:中西 貞人
第8回: ル・デッサン
オーナーシェフ:増田 稔明
第9回: ラ・グラップ
オーナーシェフ:加藤 清和
第10回: ボン・シュマン
オーナーシェフ:花澤 龍


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title--今月の注目の人



私も高田馬場に行った時は、フラッと立ち寄るお店なのですが、その度に『満席なのです。すみません。。。』との言葉を頂いてしまう予約無しでは入れない超人気店!!店名が『友情』と言う意味のL'AMITIE(ラミティエ)。その有名店のオーナーシェフのお人柄を知りたく、訪ねて来ました。

いつも満席で中に入れず、お店の外から残念がっていたのですが、今回は満を持しての潜入?しかも、そのシェフと対談が出来るのですから、大分体調悪くても行きますよね♪(実はまだ、この時病み上りまでも行かなかったのですが。。。行きの電車でグッタリしていました...)

 

初めてお会いした時、私に対しても警戒心などなく、どんな事でもど〜〜ん!!と受け止めてくれそうな感じでありつつ、仲間を家に迎え入れてくれるような温かい感じを受けたのが第一印象でした。


柿沼(以下T):
なぜフランス料理を選んだのでしょうか?------
宮下(以下M): 私は長野出身なのですが、すごい田舎で、そこではフランス料理なんて食べた事もなかったんです。純粋に『フランス料理ってものが食べてみたい!!』と思ったんです。高校の時、漠然とコックさんになりたいとは思っていましたが、下手な話、食の世界に入れば、くいっぱぐれはないな!(笑)って思って。

T:修行時代の辛かった事、辞めたいと思った事なんてありましたか?? ------
M :もう、しょっちゅうでした(笑)東京に出て来た事自体「ああ。。肌に合わない。。。」と凄く感じていたので、毎月と言っていい程当時働いていたお店のシェフに「やめさせてくれ。。。」と何度も言っていました(笑)

T:でも、続けたんですよね?------
M : ハイ。そこのシェフが本当に良い人で、その度に僕にウナギをご馳走してくれて、「もう少し頑張れ」「続けていれば、きっと良い事だと分かる」と励まし続けてくれたんです!!! 今思えば、ホント有り難いですね。 気を取り直しては、両親に大金はたいてもらって辻に通 わせてもらったのに、このままじゃ辞められない!と思うようになり、意地でしがみついて頑張っていましたね。

T:シェフの言う通り、続けるうちに何かが見えて来たんですか?------
M: 私自身、田舎もんで、やっぱりフレンチの気取った感じに常に違和感を感じていたんです。ちょうど2年目くらいにシェフのすぐ下に昇格したのですが、腕を買ってくれたと言う嬉しい反面 ちょっと困りましたね。見えて来たというより、迷いが生じた感じですね。
T:その迷いが解けたきっかけは?------
M:2店舗目のレストランがビストロ的で、あの時代、安くて美味しくて人が沢山入っていたんです。料理が普通 に食べれるあの雰囲気がとても私には合っていたのを実感しました。それに、そこの先輩達がフランスへの意識がとても高かったんですよ。料理だけでなく、フランスの店や町並み、人などへの意識ですね。そこで自分も凄く行きたくなって。フランス行きを決意しました。
T:フランスでの収穫と言えばなんでしょうか?------
M: まだまだ自分の中でフランス料理の敷居の高さが頭から離れてなかったんです。でも、フランスに行って、そんな店ばかりでない!と考え直させられましたね。そこでやっぱり私はビストロがやりたいんだ!!と実感しても、本当の三ツ星の良さを知らずにそんな事言っては井の中の蛙だと思ったので、フランスでは三ツ星レストランも回りましたよ♪研修を合わせたら、10件程回りました。

M:見て初めて分かる事もありますよね。実際、私も三ツ星の料理も憧れた時期もあります。でも、やっぱり最後にたどり着くのは『お客様と話がしたい。人間と人間が密接な感じが私は好きなんだ!』と言う事でした。

T:あえて言うのなら、フランスのどんな雰囲気が好きなんですか?------
M:フランスの片田舎に行った時の『よく来たな〜〜!!!飯くってけよ〜〜〜!!!』という感じですね。それで、そこで出された豚のリエットなんて臭くて食べれないんですが、これまたその雰囲気のせいか?ものすごく美味しく感じるんですよ!!不思議ですよね。あのあったかさが良いんです♪
T:いいですねええ!!!やっぱり、美味しいものは、心で食べるものですよね♪
T:今だから話せるラミティエで苦労したなんて事ありますか?------
M: やっぱり、物件探しから内装屋さんとのやり取りでしょうか?厨房を担当してくれた内装屋さんはそんな中、親身になって相談にのってくれました。中には腹を割って話してくれる人もいたんですよ!そうゆう方とは、ずっと今でもおつき合いがありますね♪
T:物件はどれくらいで探し当てたんですか?------
M: 半年はかかりましたね。自転車でグルグル探しまくって。。。それに、こんな感じのお店を作りたいと嫁さんと相談していたので、彼女の意見はとても重要でした。

M: 青山で良い物件があったんですが、希望の価格帯を言うと、嫁さんが「青山じゃあ、その価格はいらないでしょう。」とか、物凄い良い物件があっても、その目の前にモーテルが1つあって、私はいいんじゃないか??って思ったんですけど、嫁さんにあっさり却下されたり(笑)
T:アハハ!!でも、やっぱりモーテルの側はどうでしょうね〜??この馬場はどんな感じでオッケーだったんですか?
M:「まあ、普通の感覚でいいんじゃない??」って「ちょっと脇道入って目立たない感じで普通 っぽくてイメージに合っている!」ってオッケーくれましたよ(笑)

 

T:奥様、様様ですね♪
M:ホント、感謝していますよ。男の夢だからと言って、一生懸命二人で貯めたお金を出して、応援してくれるんですから。

T:内装屋さんはどうでしたか?

M:ちょっと納得行かなかったのが、室外機の置き場所で、やっぱりお店の前に大きな室外機を置くのはまずいと思って、4階まで運ぶ事になったんですが、これまたクレーンを1回借りるのに50万円!!

T:50万円?そんなにするんですか??
M: するんですよ〜〜!!1晩借りると軽く500万円はするんですよ!!もう、それは納得行かなくて、自分で運びました!!
T:えええ??室外機って大きいんですよね??1人で運べるんですか???
M: ハハ!!もちろん大人3人掛かりで重労働でしたけどね(笑)

T:椅子やテーブルはこだわりとかあったんですか?
M: これも、見積もり取るとえらい高くて。。。それなら、自分で板を買って心棒買って打ち付けて作ろう!!と思って作りましたよ♪椅子はノーチェというブランドの物ですが、これも自分で調達しに行った方が安かったので、20脚程買いに行きました。色々とお金がかかるんですよね。実は天井も本当は排気ダクトとか見せない方がいいと言われたんですが、予算の都合で貼らなかったんです。でも、天井が高くて開放感があって、いいでしょ?(笑)自分の両親にもいつ天井貼るんだ?なんて言われてますよ(笑)

T:そうすると、お店の雰囲気やインテリアなども、奥様と二人三脚で作られたのですか? ------
M: そうですね。自分の好みでポスターを貼ったりして雰囲気を作ったりしています。こう、男の人がフラッと1人で来ても気遅れしない。淋しくならないような店作りを心掛けています。

T:お店の理想というか、こうして行きたい!!などありますか? ------
M: 本音を言うと、毎日半分席が空いていて、半分埋まっているのが理想ですね♪今は毎日予約で埋まっていて、バンバンお客様が入ってくれるのは嬉しいのですが、反面 、自分のスタンスでは無くなっているかなあ??それがちょっと残念でもありますね。

M:普通でいたいんです。人って温かいご飯が食べたい。それは美味しいと思う心が一番ですよね。人と人が一緒に美味しいものを食べて、飲んで、普通 の幸せを普通に感じて欲しいんです。高級クロスやカトラリーがうんぬ んでなく、その人と一緒に食べてその時が、物凄く幸せになってくれた時、私の料理がそこにあったら嬉しいんです。

M:安くてショボイ料理はいけないですね。安くてもしっかり色々作ってあげたいし、お腹一杯食べさせてあげて、幸せを感じる満足をさせてあげたいと思っています。フレンチだからと言ってかしこまらず、もっと普通 に居酒屋に来る感覚で人々の食のジャンルにフレンチが入って欲しいと思います。

M:そうですね、さり気ないお店がイイですね。そう、例えばドラえもんの「どこでもドア」でフランスのど真ん中にパッとお店を開いたら、普通 のフランス人が普通に来てくれるそんなお店が理想ですね♪

T:宮下シェフでも失敗したア〜〜なんて事ありましたか? ------
M: ありますよお!せっかく作ったお肉を床に落としてしまって、お客さんに謝って、時間をもらって作り直したり (笑) それに、火傷はしょっちゅうですね。そうそう、この間、ぎっくり腰になりました!!

T:どうされたんですか?お店は?? ------
M: もちろん、やりましたよ!ほんと辛かったです。2日は歩けなかったですね〜。何も特別 重いものを運んだとかはないんですけど、いきなり来ましたね。料理人の皆さん、ほんとぎっくり腰には気を付けてください〜!!って書いてくださいね♪
T:アハハ!!書いておきますね♪

T:最後に今後の夢などお聞かせください。 ------
M: そうですねえ。。。仕事があれば、仕事をし、仕事が出来れば、仕事をする。でも、その中でコックは続けたいですね。色々やりたい事はあるんですが、やっぱり自分の目の届く範囲でこなして行きたいです。


M:贅沢言うのなら、このまま普通に続けたいです。手広くなく、家族4人でこのまんまの幸せですね。一番は家族4人で食べるご飯が一番美味しいといつまでも感じるそんな幸せが続けられたらと思っています。そうそう、あと、子供と遊ぶ時間がもう少し欲しいですね(笑)

T:スタッフの皆さんはどうですか?このお店やシェフの魅力を教えて頂きたいのですが?? ------
S (厨房スタッフ4人の声):う〜ん(笑) シェフの魅力は、料理に対しての愛情や思いやりがある所ですね。それに、場を盛り上げてくれる所もいいです♪


S (厨房スタッフ4人の声):敢えて嫌な所はないですね〜。男気あるし!!1つ1つの言葉や態度からきっと皆良さを感じていると思います。

取材を終えて、私自身とても心が軽くなった気がしました。なぜか??それは宮下シェフの、人間の普通 の幸せを最後まで自然体に求めている姿が見えたからかもしれません。FELICIMMEで少しずつですがお伝えしている『心で料理を味わう大切さ』を、サラリと宮下シェフが語ってくれた事。これにはとても共感してしまい、思わず素の自分をさらけだしてしまった程です。

懐が深く情の厚い男の人。そんな印象がとても強く残りました。そんなシェフの作るお料理を堪能してみたいと思いませんか?温かい気持ちになりますよ♪


 L'AMITIE (
ラミティエ)


住所:東京都新宿区高田馬場2-9-12柴原ビル1F
TEL:03-5272-5010
営業時間:12:00〜13:00(L.O.)、18:00〜22:00 (L.O.)
定休日:月曜・毎月第2火曜
アクセス:高田馬場から早稲田通りを明治通りへ向かい、徒歩5分
予約状況:要予約