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オーナーシェフ:増田 稔明
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オーナーシェフ:加藤 清和
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オーナーシェフ:花澤 龍



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title--今月の注目の人

ボンシュマン 花澤 龍シェフ

取材の約束の時間5分前、ちょうど奥様が自転車でどこかに行かれる所を見送っているシェフがいました。そのほのぼのとした光景を見て、『優しそう。イイ人そう。』と言うのが私の第一印象でしたが、お話をさせて頂くうちに、第一印象以上に『男っぽさ、頭の良さ』が印象に残ったシェフです。

目黒区、五本木にあるレストラン『ボン シュマン』にお伺いして来ました。店名の『ボン シュマン』というフランス語を直訳すると『良い道』。道と言う言葉をお店の名前につけるなんて、かなり色々と人生や自分のあり方、店のあり方を考えている人じゃないか?と色々と考えつつ、シェフのお人柄に触れて来ました。

スクレ・サレお店の写真

柿沼(以下T):フレンチのシェフに必ず聞く質問ですが、なぜフレンチを選ばれたのでしょうか?------
花澤(以下H):高校を出て大阪の辻調理師学校に入ったのですが、イタリアンは確かに美味しかったのですが、あのころのイタリアンは、前菜からたっぷりとチーズが入っていて、メインもチーズがこってり。1品1品は美味しいけれど、これは自分が飽きてしまうしキツイかな??って思ったんです。

スクレ・サレお店の写真 H:ミーハーな部分もありつつ、高いコック帽にもあこがれたんでしょうね。でも、和食はプロの仕事っぽくて、職人にも少し憧れてたので、最後は結構迷いましたけどね(笑) 自然にフレンチに傾いたって言った方が適切かな?自分がフレンチが好きだったというのも大きいですね。

T:修行時代、これじゃあまずい!と言う事はありましたか?
H: 24才の時、先輩シェフに連れて行かれた感じでフランスに行ったのですが、そこで入ったレストランがのんびりとしていて優しい人達だったのですが、給料が出なかった所だったんです。持って行ったお金が20万円程度で、お金が無くて、さすがに寝床と食べ物があるだけじゃまずい!と思いましたよ。(笑)


T:普通、フランスに修行に行く人はどの位持っていくものなんですか?

H:ちゃんと用意して来る人は100万〜300万位軽く持って来るようですよ!!

T:へえええ〜〜!!結構な金額ですよね。

スクレ・サレお店の写真
T:その後も色々なレストランを回って修行したと思うのですが、初めてお給料出してくれたレストランをやめる時は勇気が行ったのでは?(なんで辞めてしまったのか?) ------------------
H: フフ...(ちょっとクスッと笑いつつ)実は、私は紙(労働許可証)無しで働いていたので、コントロールが回って来てしまってね!焦りましたよ!(笑)
スクレ・サレお店の写真
T:コントロール。。警察ですか??
H:う〜ん...日本で言う入国管理局の管轄の人たちですね。たまに回って来るんですよ。

T:そ..それで...どうされたんですか?
H: シェフに『お前ら隠れろ!!』って言われて、ゴミ箱部屋に1時間くらい隠れました(笑)5人位 のコントロールが来てて、「日本人が2人いるだろう!!」って言われてたみたいで。。。

H:日本人が2人いるって数字を挙げられて、内部告発があったに違いないって事になって。。。シェフに『悪いけれど、辞めてくれないか』って言われたんですよ。
T:かなりお店的にはまずいんですよね?どの位 まずい事なんでしょうか?-----
H:ほんと、大変なんですよ。店1軒、罰金で潰れてしまう位の重罪ですよ。

T:そんな厳しいんですか?それじゃあ、オーナーシェフはお店を守る為にそうしますよね。。。
スクレ・サレお店の写真
H:日本人をヤミで?雇って、こづかい程度をあげるのと、フランス人を正規で雇うのとでは大違いで、フランス人1人の賃金=日本人3人分の賃金なんですよ。日本人は真面 目で文句言わずに働くしね。
T:お店のオーナーだったらそうしたい所ですよね。。。

H:日本人のせいでフランスの失業率が上がっている訳じゃ無いけれど、10%だっけ?フランスの失業率。かなり国も日本人雇う前にフランス人雇えと言っている位 だしね。

T:リアルな世界です。。。
スクレ・サレお店の写真
T:フランスで、これも今となっては、良い思い出と言うのはありますか?------
H: そうですね〜。。。300人位入る大きなレストランで、毎日50食は出る冷たいラヴィオリ(そのお店のスペシャリテ)を作っていたんです。朝7時から作り始めて、昼過ぎになってやっと出来上がるものを毎日コツコツと作り続けていたんです。
H: ある時、2番手のシェフが怪我して2ヶ月も休んでしまって、その代わりにシェフから『お前が今日から2番手のシェフだ!責任持ってやれ!』と言われたんです。多分、毎日の仕事ぶりを見ていてくれたんでしょうね。ところが、他のフランス人からしてみれば、面 白く無い訳ですよ。自分達を差し置いて日本人が2番手のシェフをするなんて!!自分達を使われるのが気に食わなかったんでしょうね。
T:なんか事件とか起こったとか???
H:まず、こっちの言う事なんか聞かないんですよ。もう、仕事は全然うまく回らないし、困りましたね。

T:ええ〜!?それをどう解決したんですか??
H: 言いましたよ!シェフに!「あいつらが言う事聞かない!!」ってね。
スクレ・サレお店の写真

T:その後は大丈夫でした?
H: 大丈夫でしたよ!ちゃんと言う事聞いてくれて、仕事も回って行きましたし。シェフがきちんと言ってくれたんでしょうね。嫌な思いもしましたが、今となっては、イイ思い出です!

スクレ・サレお店の写真
T:日本に帰って来てからの印象に残っている事(最大に嬉しい事や悲しい事、心に残った事)などありますか?
----------
H: やっぱり、ここをOPENした時の事ですね。夜OPENしたのですが、だ〜れも来なくてね。。。ちょっと落ち込みましたが、次の日10数人パラパラと来てくれたんです。


でも、料理を出すタイミングもサーヴィスも全然ダメで、普通1時間で食べる所、2時間かかってしまって。。。

H:そんな時、旦那さんと3人で来た30代後半の女性に『いくら何でも遅すぎる!!』 って大激怒されたんですよ。確かにこっちが悪いのですが、なだめようがなくて。。。怒って帰っちゃったんです。

自分も凄く反省しましてね。OPENして2ヶ月たった頃、自分なりに『安定して来たな』と思った時、そのお客様に手紙を出したんです。

H:申し訳なかったという気持ちと、安定して来たので、是非また食べに来てください。と言う言葉を添えてね。そうしたら、なんと次の日来てくれて!!もう、涙が出る程嬉しかったですよ!!そして、向こうも『私も大人げなかったわ』って謝ってくれて。。。。 今は常連さんです♪
スクレ・サレお店の写真
T:う...ごめんなさい。。。グッと来てしまって....いいお話で。。。(聞いたお話なのに、泣きそうになってしまいました。ここで泣いたらおバカ?なので、涙を押さえまくっていました!!)
H:アハハ!!いいですよ!!

T:(ああ..イイ人だわ。。。。)
スクレ・サレお店の写真

T:そんな風に落ち込む時、復活方法なんてありますか?人から落ち込まされた時なんてどうでしょう?-------
H: そうですね〜。。。復活方法。。。柿沼さんはどうですか?どんな時落ち込みます?

T:(え?私???まさか、逆に質問されるとは!!!)落ち込む事ありますよ!!やっぱり、ああいうサイトを運営していると、色々な方から心無いメールを送りつけられたり。。。名前なんて書かないで無責任に言いたい放題です。立ち上げた当初は厳しい意見をもらいましたよ。あれは、かなり落ち込みました。やっぱり、否定的な事を言われると辛いですね。

H:ああ...そうか。。私もありますよ。 ネットの書き込みで「あの料理が・・・・」って否定的に書かれているのを偶然読んでしまった時なんか。。。もう、そういう時は、
★目の前にある事をこなす
★お酒は飲まない(酒で紛らわすような無駄な事はしない)
★友人と話す。

スクレ・サレお店の写真
★時間が解決する時もあるので、考えが後ろ向きにならないようにする 。
★冷静に受け止めて、反省する部分は反省する。そして、四六時中見られている芸能人に比べれば、まだ良い方だ!と思う。

ですね。アハハ(笑)
T:な〜るほど!!そうですよね!!芸能人に比べれば、なんて事ないですね!(笑)
T:では次に、どんなお客様に来て欲しいですか?『俺の味を分かってくれる客だけが来てくれればいい!!』というシェフもいますが?-------------------


H:う〜ん。それって、究極の自己満足だと思うんです。私の場合、どんなお客様というより、嬉しそうに「美味しかった」と言ってもらえるだけで幸せなんで、お客様は限定しないですね。

T:『美味しかった』と言う言葉はやっぱり凄い力なんですね。
H: やっぱり、味が良かったとかお店を気に入ってくれたとか、お客様の声は凄く気になります。一番嬉しいのは、おばさんやおばあさんですね♪

T:おばさんやおばあさんの声ですか??
H: おばさん世代は、(イイ意味で)本音で言うじゃないですか(笑)それに、色々自分でも料理を作りますしね。そんな方が美味しいって言ってくれるのが、一番の励みになります!

T:なるほど!!本音を教えてもらえる事が嬉しいのですね♪

スクレ・サレお店の写真
T:今後お店をどのようにして行きたいですか?また、お店のこだわりなどあれば、そちらも一緒に。------------
H:まずは、自分達の力を安定させたいです。コーヒー1杯でもお客様にとっては初めて来ている人もいると言う事。常に1回なんだと言う気持ちを持って、作って行きたいです。どんな時でも、常に料理やサーヴィスにムラが出ないように心掛けています。実はサーヴィスももう1人増やしたいと思っているんです。サーヴィスを重点的にしたいですね。
スクレ・サレお店の写真

H:こだわりは....よい食材を使うのは当たり前! その他の質が重要だと常々感じています。
T:その他の質?というと。。。

H: 空間やいこごちなどですね。レストランに必要な要素を大切にするよう心掛けています。例えば、ラーメン屋に入って『損した!』て思うのは数百円のお金の問題だけでは無く、店全体の質の問題だと思うんです。損したという思いは、何かに対してお客様が満足していない状態なんだと思います。 常にお客様に満足してもらいたい。そういう思いがここのこだわりでしょうか?


T:食材の質は、どう調べていますか?食べ歩きなんてしているのでしょうか?-----------

H:う〜ん。業者さんから教えてもらったり、シェフ仲間で教えあったリがほとんどですね。付き合いでシェフ同士の飲み会もあるんです♪


T:シェフの飲み会!!どんな所でするのですか?
H:今日、実はあって、ラ・グラップ の加藤シェフの所でするんですよ(笑)ワイン片手に行って来ます♪

T:毎回誰かのお店でするのが多いのですか?
H:居酒屋も行きますよ〜。もう、そんな日は味なんて期待してないですけどね!(笑)

T:美味しいお勧めの食材なんてありますか?
H:『美味しい本物を食べる会』って知ってます?野菜やフルーツ、米や肉など本当に美味しいものを紹介してくれるんです。いいですよ〜!!

T:一般の方でもいいのかしら?
H: 確か大丈夫なはず。年会費5000〜6000円ですけどね。あ、でも、1つ1つが大きいですよ。肉とか。。。

T:ちょっと連絡とってみます!!ありがとうございます!!さて、最後の質問ですが、今後の夢をお聞かせください。---------------------
H: 『フランスにお店を持つ事!!』です!!。

H: 永住して、お店を開きたいんです。カウンターで1人1人って感じに、ビストロ風の伝統料理を出したいですね。半分カフェって感じにして、しょっちゅう人が出入りしている感じが理想です♪

T:へえ〜〜〜♪いいですねえ〜〜〜♪ 何歳ぐらいに実現したい夢でしょう??定年とか??

H: う〜ん。。そうだなああ。。。50代位にはしたいですね!!

花澤シェフとお話していて、印象に残ったのが、頭の回転が早い事。私の質問の仕方がうまくなくても、その意味をきっちりと捉えて、適格に返して来るのです。そして、逆に質問される!頭のイイ人の会話術で返答に困った時は、逆に聞き返すのがテクニックなのですが、多分、そんな事考えずに自然に返していたと思います。

そして、優しいだけでなく、言葉の端々で料理に対する思いなどチラチラと見えたのですが、多分、料理に対しては人一倍厳しいのではないか?と感じられました。ただの厳しさでは無く、男っぽい厳しさ(懐の大きな感じで、余計な所は黙認。締める所は締めて、自分と言う根がしっかりと生えている感じ)を感じました。

いいですね。静かな男の底力というのでしょうか?日本人に合わせたフレンチの創作料理では無く、伝統料理を愛するシェフと言われるのも頷ける気がします。


こんな優しい面影の中に、男っぽいシェフのお料理はきっと男気溢れる料理に違いないと思います。こんな素敵なシェフのお料理を頂いてみては如何でしょうか?



 フランス料理 ボン シュマン


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住所:東京都目黒区五本木2-40-5 Beat101
電話番号: 03-3791-3900
営業時間:11:30〜14:00、18:00〜21:30
定休日:水曜日 定休
最寄り駅:東急東横線「祐天寺駅」徒歩10分 程度